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アーマード・コア

作者さんに許可をいただいて掲載してます。 戒愁橙里が同席する場のみご利用可能です。 それ以外で使用する場合は事前にご連絡ください。

(♂4:♀2:不問1)FROM SOFTWARE---狂人革命家(前編)---

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(♂4:♀2:不問1)FROM SOFTWARE---狂人革命家(前編)---

『アーマードコア』 FROM SOFTWARE---狂人革命家(前編)---
作:ひつぎ

~登場人物~
(♂4:♀2:不問1)
○オールドキング(♂) :30歳前後、落ち着いた物腰だが、淡々と狂気に満ちた発言をする。
○マクシミリアン・テルミドール(♂) :20代後半、ORCA旅団長。毒舌だが、情熱がありロマンチスト。
○メルツェル(♂) :20代前半、物腰は落ち着き、クールな紳士。ORCAの若き参謀。
○ジュリアス・エメリー(♀) :20代後半、ORCA創設時の5人の内の一人。
 ORCA唯一の女性であり、冷静沈着で腕も一流。
○ナレーション(♂or♀) :
○リリアナ兵士A(♂) :20歳前後、過激な反体制武装勢力リリアナの兵士。温厚なまとめ役。
○リリアナ兵士B(♀) :20歳前後、Aと同じくリリアナ兵士。目的意識の強い女性。
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※かなりのネタバレ注意
 AC4~AC4fAまでの内容
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BGM Thinker
ナレーション
「遠い未来の話。
 人型機動兵器アーマードコア。
 パイロットはレイヴンと呼ばれ、
 戦車や戦闘機を遥に凌ぐ最高戦力として
 長き時代を奔走してきた。
 そんな中、コジマ博士は特殊な粒子、
 コジマ粒子を発見。
 それを運用した新兵器『ネクスト』が開発され、
 パイロットはリンクスと呼ばれた。
 これにより、今までのアーマードコアは
 『ノーマル』と称され、
 ネクストに劣るものとして位置づけられた。
 ネクストを開発した企業群は、
 環境問題の改善、資源の枯渇など、
 様々な問題に対処できなくなり、
 完全に信用を無くした国家に対して、
 クーデターを起こした。
 それに至るまでの企業群の自信の裏づけが
 このネクストでもあった。
 かくして時代は、国家に代わり、
 企業が支配する新体制、
 『パックスエコノミカ』となった。
 これは、その過酷な時代が生み出した、
 狂人の物語。」

BGM 変更 Someone is Always Moving on the Surface


オールドキング(M)
「『答えがわかっていても式が立たない時があるが、
  式がわかっていれば出ない答えはない。』
 それが、数学教授サーダナの口癖だった。
 俺は、恋人を戦争で失ったあの日から、
 生と死に異常な興味を持った。
 いつも考えていた。
 ・・・やつが、その答えを教えてくれるような気がした。
 ある日、俺はやつに質問を投げかけた。
 『なぜ、人は人を殺すのか・・・』。
 サーダナは、
 眉一つ動かさずにこう言い放った。
 ・・・『進化のためだ』と。
 俺はすぐにはその意味を理解できなかった。
 サーダナは続けた。
 『人は殺戮というプロセスの中で進化を遂げてきた。
  生きるために殺し、
  殺すために進化する。
  今が生き残れる自分と確信するまで、
  殺すことと進化は止めない。
  彼らを見ろ。
  医学で学んだ最先端の知識は、
  最前線で彼ら軍医が発揮する。』
 俺は鼻で笑いながら小馬鹿にしたようにこう答えた。
 『だったら俺が100人殺せば、100の進化があるのか?』と。
 サーダナは軽くうなづいた。
 そのとき、
 俺の中で何かが殻を破って出てきたような感覚がした。
 
 サーダナは、
 その後、高い技術力をイクバール社に買われ、
 軍に入り、
 そこで偶然受けたAMS適正検査で、
 驚くべき数値を出した。
 奴は、数学者でありながらリンクスとなったのだ。」

間 BGM変更 The Blood Honney


ナレーション
「パックスに反対する武装勢力リリアナ。
 オールドキングはその組織を率いていた。
 しかし、彼にとってこの組織の人間は、
 共に同じ目的を持った同志や仲間というより、
 ただの暴力装置でしかなかった。
 ノーマル程度の寄せ集めの組織にさほどの力はなく、
 彼はそれに不満を持っていた。
 そんなある日、
 イクバール社のネクスト、アートマンが大破し、
 北米ラブラドル半島の海に沈んだとの報道が入る。
  それは、サーダナの機体である。」

オールドキング
「馬鹿な・・・。
 やつが死んだってのか・・・。」

リリアナ兵士A
「ああ、例のアナトリアの傭兵の手にかかったらしい。」

リリアナ兵士B
「どうする、オールドキング?
 あんたの師なんだろ?
 仇討ちに出向くか?」

オールドキング
「仇討ち?
 馬鹿な、くだらねえことを言うんじゃねえ。
 奴が選んだ生き方だ。
 殺しているんだ、殺されもするさ。
 ・・・だが、ちょっといいことを思いついた。」

リリアナ兵士A
「・・・?」

ナレーション
「後日、水没した機体と、
 リンクス、サーダナの亡骸の回収作業中、
 謎の武装勢力が、
 ネクスト機を奪って逃走したとの情報が上がった。」

オールドキング
「どうやら、俺にはAMS適正があったらしいな・・・。
 これで俺は力を得た。
 古き時代の王、暴君の力を・・・!」

ナレーション
「ネクスト機を手に入れたリリアナは、
 凶悪な組織に変わっていった。
 オールドキングはこの機体に、
 亡き恋人の名をつけた。
 ・・・『リザ』と。」

(間)BGM終了


ナレーション
「その頃、
 使われなくなった公衆会館にて、
 ある組織の演説が行われていた。」

テルミドール
「この世界は腐っている!
 地上は荒廃し、大気はコジマで汚染されている。
 衛星軌道上は、
 宇宙開発に出遅れるのを危惧した企業が配備した、
 高度9500m以上に上がってきたものを無差別に撃ち落す、
 『アサルトセル』が覆い尽くしている。
 人類はこの星に箱詰めにされ、いづれ死に絶えるだろう。
 コジマの汚染が早いか、戦争で共倒れが早いかの違いだ。」

ジュリアス
「『クレイドル』・・・。
 企業が作ったゆりかご。
 アサルトセルの射程内に入らないよう、
 高度7000m以上、9000m以下を航空する大型の空中居住区。
 ここはまだ、コジマ粒子の汚染に晒されておらず、
 一機に付き2000万人ほどの限られた人々を乗せて、
 清浄な空気の中を飛び続けている。
 しかし、その極めて大型のクレイドルを飛ばし続けるには、
 多大なエネルギーを必要とし、
 アルテリア施設と呼ばれる地上施設からの
 エネルギー供給がなければ地に墜ちてしまう。
 そのために、また地上を汚染し続ける。
 つまり、このクレイドルそのものも、
 徐々に汚染を拡大している要因なのだ。
 『矛盾を抱えた延命装置』・・・。
 そんな皮肉を漏らす者も少なくはない。」

テルミドール
「ORCA(オルカ)は、数少ない精鋭たる諸君らの協力に感謝する。
 我々人類の未来は、企業の重鎮共ではなく、
 我々ORCA旅団が切り開くのだ!」

(歓声や拍手)


メルツェル
「見事な情熱的演説だ。」

テルミドール
「ああ、誰かさんの台本のおかげだな。」

メルツェル
「何を言う、私はあんなことまで書いていないぞ。」

ジュリアス
「そうだ、
 おかげで間違った台本なのかと慌てたじゃないか。」

テルミドール
「まあいいじゃないか。
 おかげでカラードからの鼠の尻尾が掴めた。」

ジュリアス
「なんだと?」

テルミドール
「三列目の左端の男。
 それから五列目の真ん中。
 アジア人の黒髪女。
 二人とも生かして帰すな。」

ジュリアス
「わかった。
 銀翁に頼もう。」

間 BGM Scorcher


ナレーション
「その頃、新たに建設中のアルテリア施設を、
 襲撃しようとする一団の影があった。
 ネクスト1機を中心に、
 ノーマルで構成されたリリアナの戦術部隊だ。」

リリアナ兵士A
「こちらリリアナ第三ノーマル部隊。
 目標を確認した。
 これより、建設中のアルテリア施設を攻撃する。
 作戦指揮を・・・オールドキング。」

オールドキング
「作戦なんてものはねえ、
 手当たり次第に殺すだけだ。
 簡単だろう?」

リリアナ兵士B
「え・・・?
 アルテリア施設の破壊が目的では・・・?」

オールドキング
「この兵力で制圧できるわけないだろう。
 アルテリアの防衛となりゃ企業連も躍起になる。
 お前らも死にたいわけじゃねえだろう?」

リリアナ兵士B
「は、はあ・・・」

オールドキング
「何人か殺しちまえばそれだけで見せしめになる。」

リリアナ兵士B
「・・・まったく・・・
 あれで大丈夫なの・・・?
 人殺しがしたいだけのようにしか見えないんだが、
 いったい何がしたいんだか。
 少々不安だ・・・」

リリアナ兵士A
「あの人はあれでいいんだよ。
 なんか・・・その辺の凡人と違って、
 あの人なら時代を変えられそうだ。
 俺はあの人についていくぜ!」

リリアナ兵士B
「ったく、
 もうどうにでもなれ!
 セーフティ解除!
 戦闘モード起動!」



ナレーション
「目的が定かでない言動に、
 リリアナの中で、
 彼に不安を抱く者も少なくはなかった。
 だが、それ以上に期待感があった。
 彼ならこの腐った世の中を変えてくれるのではないかという・・・。
 そう思わせるだけの何かが、彼にはあふれ出ていたのだ。」



ナレーション
「アルテリア施設守備隊に攻撃を加えるリリアナ。
 しかしそのとき、
 リザのレーダーが何かを捕らえた。」

オールドキング
「・・・ん?
 おっと、ネクストが近づいてやがる。
 撤退するぞ。
 この辺で十分だ。」

リリアナ兵士A
「ネ、ネクストだって!?
 こいつはやべえ!」

リリアナ兵士B
「で、でも、
 こっちにもリザが・・・」

オールドキング
「・・・言っただろう、
 見せしめだとな。
 帰るぞ。」

リリアナ兵士B
「あ、ああ・・・」



ジュリアス
「作戦領域に到達。
 テルミドール、
 先ほど銀翁から連絡が・・・
 この間の鼠だが、
 男の方は始末したが、
 女の方は取り逃がしたらしい。」

テルミドール
「あいつがか・・・?
 信じられんな。」

ジュリアス
「住居を突き止めたらしいんだが、
 乗り込んだときには見当たらず、
 近くでネクストの排気音が聞こえたらしく、
 コジマの汚染を恐れて慌てて逃げたらしい。
 情けない話だ。」

テルミドール
「いや、あの銀翁を出し抜くだけの女だったということだろう。
 恐らくその女はリンクスだ。」

ジュリアス
「ああ、そうだろうな。
 ・・・うん?
 こちら、アステリズム、
 アルテリア施設の偵察に来たのだが・・・
 この有様は・・・
 すでに何者かに襲撃を受けて・・・いる・・・?
 いったい誰が・・・
 (遠くのオールドキングに気づく)
 ・・・!ネクスト!?
 ・・・撤退しているのか?」

メルツェル
「こちらオープニング。
 こちらでも領域を離脱する熱源を確認した。」

テルミドール
「奴らはいったい・・・。
 少し調べてくる。
 私一人でいい。
 みんなは引き上げてくれ。」

間 BGM終了


ナレーション
「それから数日後、
 反体制勢力、リリアナのアジトにて。」

リリアナ兵士A
「オールドキング。
 あんたにメールだ。
 なんだよなんだよ、女か!?」

オールドキング
「俺の女はコイツだけだ。」

リリアナ兵士B
「ん?コイツってネクスト機のリザじゃないか。」

オールドキング
「うるせえよ、
 いいからさっさと見せろ。」

リリアナ兵士A
「へいへい、ほらよっ
 今そっちのデバイスに送ったぜ。」

オールドキング
「プライベートに俺宛とは・・・
 変わり者もいるもんだな・・・
 マクシミリアン・テルミドール?
 だれだこいつぁ?
 どうやってここのアドレスを・・・。」

テルミドール
「(メールの内容)『君とは初見となる。
  マクシミリアン・テルミドールだ。
  単刀直入に言おう、
  君にORCAの一員になってもらいたい。
  君の力を革命の為に使わせて欲しい。
  連絡を待っている。』」

オールドキング
「革命か・・・。
 死の臭いがプンプンするぜ。
 ・・・おもしろい、はっはっはっは・・・。
 (しばらく考える)
 ・・・乗ったぜ、テルミドールさんよ。」



リリアナ兵士A
「なあ、おい、オールドキングはどこだ?
 それに、格納庫のリザも見あたらねえぞ。
 今日の予定は何もないはずだろ?」

リリアナ兵士B
「ああ、
 『おもしろそうなことに混ざれそうだ。
  しばらくリリアナはお前らで勝手にやれ』
 だとさ。
 身勝手なものだ。」

リリアナ兵士A
「まあ、そういう人だってわかってたけどな。
 よほど面白いものを見つけたらしいな。」

リリアナ兵士B
「呑気なことを言ってるが、
 今までの私たちは、
 リザの戦力に依存しきってたところがある。
 最高戦力が欠けたんだ。
 これからは下手に動けないぞ。」



ナレーション
「旧GA本社、ビッグボックスにて。
 ORCA旅団本体の会議が行われていた。」

テルミドール
「ホワイトグリントは戦闘不能。
 ステイシスは海中に没し、
 オッツダルヴァは生死不明・・・か。
 やりすぎだな、メルツェル。」

メルツェル
「よく言う、誰が手間をかけさせたのか。
 あのステイシスを遠隔操作などと・・・
 タイミングよくブースターを破損させる仕掛けに、
 機体を回収されても気づかれないだけのカモフラージュ・・・」

テルミドール
「はっはっは、すまんな、完璧主義者なんだ。」

メルツェル
「・・・まあいい、これで最初に戻ったんだ。
 時期もある、クローズプランを開始しよう。」

テルミドール
「そのことだが、少しだけ待てないか?」

メルツェル
「パートナー・・・か・・・。」

テルミドール
「ああ、強いだけの阿呆ではないようだ。
 試す価値くらいはあるだろう。
 状況はすでに手遅れだが、同時に緩慢だ。
 ・・・今更焦る事でもあるまいよ。」

オールドキング
「そのクローズプランとやらに、
 俺もちゃんとエントリーしてるんだろうな?」

テルミドール
「貴様は・・・。」

ジュリアス
「すまん。
 止めたのだが・・・。」

テルミドール
「まあいい、
 ついでだ、紹介しておこう。
 リンクス、オールドキングだ。
 ネクストはリザ。
 ようこそ我がORCA旅団へ。」

メルツェル
「ほう、どこから拾ってきたのか知らんが、
 なかなかの男だ。
 キングか、
 もしくはビショップクラスのオーラを感じる。」

テルミドール
「うむ。
 実はリリアナのリーダーに君臨している所を、
 引き抜いてきたのだ。」

ジュリアス
「リ、リリアナだと?(不安そうに)
 あんな粗製どもの中から引き抜いてきたのか?」

テルミドール
「腕は確かだ。
 この俺と同等かあるいは・・・。」

メルツェル
「それは一目見たときから感じていた。
 ふむ、なるほど、リリアナの頭目か。
 どこか不思議なオーラを感じるのはそのせいか。」

ジュリアス
「メルツェルの眼力は恐ろしいな。
 スリーサイズまで見破られそうだ。」

メルツェル
「はははっ、
 生憎、その手の眼力は旅団長には敵わないな。」

オールドキング
「・・・まあ、必要なときは呼んでくれ。
 じゃあな・・・」

(間)BGM Remember


メルツェル
「・・・テルミドール。
 あの男・・・注意が必要だ。」

テルミドール
「クローズプランが最終局面を迎えれば、
 カラードやBFFなどの諸企業を敵に回すことになるだろう。
 そうなれば、決して十分な戦力ではない、
 今はやつのような暴れ馬でも必要だ。」

メルツェル
「ふむ・・・。
 ・・・おっと、そういえば。
 インテリオル・ユニオンの上級技術士官が一人、
 行方をくらましたらしい。」

テルミドール
「そのことか。
 あるルートから極秘に入手した特秘事項だが、
 ユニオンの人体実験被験者を連れて脱走したとか・・・。
 まあ、確かな筋ではないのだが、
 その上級士官。
 ・・・元リンクスの女という話もある。」

メルツェル
「吸収される前のレオーネ・メカニカもそうだが、
 ユニオンもあまりいい噂を聞かんな。」

テルミドール
「だがこの話、どうも何かひっかかる・・・」

(間)


オールドキング
「我が身可愛くて仕方がない、
 企業の老いぼれが支配する世界。
 人類は死をもって先に進まなければならない。
 俺が・・・その代行者となろう。
 ふふふふふ・・・。
 ああ、恐ろしい。
 すべてが見えているからこそ・・・
 そう・・・すべては・・・
 ・・・幻想にすぎない・・・。」

~~終わり
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戒愁橙里
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非公開

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